マチココロ

趣味のサッカー観戦と本業のお掃除と、日々の出来事を綴っています。

Jリーグ アルビレックス新潟

なぜ妹はJリーグ沼にハマらなかったのか ~ サポーターの立場からファンを熱狂に巻き込む方法 ~

”Jリーグ沼”とはささゆかさんのブログで初めて目にした言葉である。

キラキラ女子だけが女に非ず!私はこうしてJリーグ沼に落ちた

Jリーグという存在が気になって足を踏み入れたら、どんどんハマって動けなくなる。
いつもまにかそこが居心地良くなっていく。沼をイメージしてみたらとてもしっくり来た。
しかし、このJリーグ沼は周囲の環境が揃っていてもハマらない人もいる。
身近な存在でいうと私の妹だ。

妹は2つ下。私は4年前に実家を出たものの、二人で会うことも出かけることもしょっちゅうで、私が言うと気恥ずかしくもなるが大の仲良し姉妹である。
我が家は父・母・姉である私がJリーグにどっぷりハマっている。
その日の気分も週末の予定も、サッカー中心で生活を送って来たと言っても過言ではない。

しかし、妹だけがJリーグ沼にハマらなかった。
ハマった側の人間としては何故一人だけハマらなかったのか、ずっと疑問でしかなかった。
なぜ妹だけJリーグ沼から抜け出したのか、そしてもう一度スタジアムに戻ってきてもらう方法を考えてみたいと思う。

そもそも我が家がJリーグにハマることになった大きな理由は、15年前地元である調布市に味の素スタジアムが完成したことに他ならない。
元々ラモス瑠偉さんが好きだった父の影響で、当時サッカーのサの字も知らない私と妹は、ヴェルディのホームゲームの度にスタジアムへ足を運ぶようになった。

当時はまだスタジアムグルメなどの文化がなく、これと言ったイベントも行われていなかったように記憶している。
スタジアムは純粋にサッカーを楽しむだけの場所であったのである。

当時、日韓ワールドカップでサッカー熱が最高潮に達していた。街もテレビも通っていた学校もサッカーの話題で溢れ、代表選手の活躍をこの目で見るためにスタジアムへ足を運んだ人もいるはずだ。

最高潮のサッカー熱が私達家族を取り巻く中、3年間は家族4人で一緒にゴール裏の端っこで座って観戦していた。ところが中学3年生だった私がアルビレックスと出会い、オレンジのユニフォームに袖を通してしまったため最初にヴェルディを卒業した。
一方で父はヴェルディがJ2に降格すると厳しいJ2での闘いを辛くて見ていられなくなり、趣味として試合を楽しめたFC東京の観戦数が次第に増えていく。

その頃妹は中学生になり部活動が忙しく、徐々にサッカーそのものから遠ざかっていった。さらにジャニーズの某アイドルグループを好きになり、そちらに熱が入るようになっていく。

私がアルビレックスと共に全国津々浦々遠征するようになってから10年ほどが経ち、2016年の新潟遠征をきっかけに両親も遠征デビューを果たした。FC東京の応援のため、今年は夫婦仲良く吹田と仙台に繰り出している。
妹はというと、とっくに社会人になっており自分のスケジュールを調整できるるようになったにも関わらず、両親の遠征についていかず、遠征時は自宅の留守を預かる機会が増えていった。

確かに世間的には4年に一度のワールドカップと共にサッカーへの関心も乱高下しているような状況だ。
15年もサッカーを追いかける人間しかいない我が家で、スタジアムに来る気配のない妹を疑問に思い、この間会った際に本人に聞いてみた。

話をした結果、私なりに妹がスタジアムに行かない理由はこれではないかと推察したのは以下の3つである。

①サッカー観戦は「体験」するものではなく「見る」もの。
私はスタジアムで泣いたり笑ったり、その場に居たサポーターや選手たちと想いを共有し、90分共に闘っている。
しかし妹の感覚としては、あくまでもサッカーは客観的に「見る」ものであり、主観的に試合にのめり込むという感覚はないようだ。

②「どこ」に行きたいかはあまり重要ではない。「なにをする」かが重要。
妹いわく、遠いから行きたくない、暑いから行きたくない、寒いから行きたくないということはなく、本人としてはディズニーに行くのもユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行くのもスタジアムに行くのも大きな違いはないようだ。
イベントを見たいとか、これをやりたいという目的があれば、自ら動くのである。
妹は目的があれば日帰りで京都にも行ってしまうほどのフットワークの軽さを持つ。(さすが私の妹である。)
つまり妹は動けない訳ではなく、スタジアムというコンテンツが、妹の中で「あくまでもサッカーを見る場所」という立ち位置から抜け出していないから、サッカー観戦のために動こうとしないのだ。

③「試合を見に行く」ことが重要なのではない。「誰と行くか」が重要。
これが一番衝撃的だったのだが、妹は家族と一緒にスタジアムに試合を見に行くのであれば、自宅でDAZNを見ているのと変わらない、自宅の延長線で場所が変わっただけというのである。
あくまでも、何を見に行くのか、何をしに行くのかということよりも、「誰と」行くのかが最も重要なようだ。
チームは分かれるものの家族全員がサポーターという状況であれば、各クラブの試合結果や順位を確認するのは妹の中で自然な流れだ。私も実家に居たときは帰宅前にFC東京の結果を確認して、結果が悪かったりするとリビングを通過して自分の部屋に逃げんこんだこともある。

サッカーが日常の中に当たり前にいる。現地で観戦すること、とりわけスタジアムという空間への関心が低い。
おそらく妹は現地で勝利を見届けたとしてもきっと満足しないだろう。
見たいもの、やりたいものがあって、誰とそれを共有するのか、
それが妹にとっては一番大切なのだ。

そしてふと、日韓ワールドカップの旋風を経験した世代であれば、妹だけではなく他にも同じような方がいるのではないかと思った。
妹のように一度はサッカーから離れてしまった人に、もう一度スタジアムに戻って来てもらうためにはどうしたら良いのだろうか。クラブの人員や予算、プロモーション等が必要なのは間違いないだろう。
しかし、イベントだけで人が呼べるほど潤沢な資金を持っているクラブばかりではない。私が応援しているアルビレックス新潟もしかりである。
では一度スタジアムから離れてしまった人にJリーグの良さを改めて伝えたい場合、サポーターに出来ることはなんだろうか。

アルビレックス新潟専務取締役の是永さんが以下のようなツイートをしている。

ここから考えられるのはもっとクラブ・選手に親近感を持ってもらうことである。
10年以上ジャニーズが好きな妹だけではなく、この人達を応援したい、見守りたいと思えば行動する人が多いだろう。
アイドルだけではなく、高校野球や高校サッカーにも言えるのだが、アイドルと違ってサッカークラブはメンバーの入れ違いが激しい。その中でどれだけ代わる代わる現れる選手に親近感を持ってもらえるか重要だ。
親近感を持ってもらうためには選手のエピソードを伝えて背景までたどって貰い、これから応援する理由を見つけてもらうことが重要だと思う。

まだまだクラブとの距離が遠い人の場合、クラブの苦境や達成感をいきなり話しても、なかなか感情移入出来ないし、親近感も湧きづらい。
だからこそ、サポーターである私達が主観的に当時のことを思い出話や武勇伝ではなく、疑似体験をしてもらうよう意識をして伝えることが大切だ。

また先日、水戸ホーリーホック所属の安彦考真選手が以下のようにツイートしている。

ここから分かるのはサポーターがファンに貢献を強要しても、ファンはサッカー観戦を楽しめない。
まず始めに現地で会う人、行われるコンテンツに目的を持ってもらう。
現地で会うのはマスコットでも良い。各クラブにかわいいマスコットがたくさん現れて、マスコットとのグリーディングが目的になる人もいるくらいだ。
コンテンツはサッカーの試合そのものだけではなく、当日のイベントでも良い。しかし色々な場所で同時多発的に開催されるイベントを楽しむためには、事前の下調べが必要だろう。
その時は元気いっぱいファンを振り回して、スタジアムを満喫させてほしい。

私達サポーターはどうしてもクラブの事情を察して行動するし、たとえスタジアムにおける試合以外のコンテンツが不足していたとしても構わずに応援に向かう。

しかし、ファンであればそれは通じないのだ。
楽しい場所であれば向かう。
面白そうなコンテンツがあれば向かう。
あの子が行くのであれば向かう。
サポーターよりもずっとシンプルだ。

スタジアムが人で埋まり、お祭りのように各お店やイベントブースが賑わい、可愛いマスコットがとことこ歩き、試合が始まれば声援でスタジアムに地響きが起こる。
これは実際に体験しなければ分からない非日常の風景だ。このわくわくした感覚を自ら経験してもらえば、ファンに魅力を理解してもらえるようになると思うのだ。

アイドルのコンサートのように完成されたライブの充実感を試合の内容や結果では約束できない。
しかし、サッカー観戦は観客同士が繋がり、選手と一緒に空間を作っていける。結果が分からないからこそ、ドラマのような展開が待っているのである。

そして、ファンからサポーターになれた時に本当の意味でスタジアムが楽しくなる。そのためにはきっかけが必要だ。

スタジアムに訪れた人が主観的に楽しめるストーリーをサポーターも一緒に作り上げる段階が始まっているのかも知れない。




-Jリーグ, アルビレックス新潟

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マチ神奈川県川崎市在住、東京都調布市出身。
新潟に無縁だったアルビレックス新潟サポーター15年目、家事代行会社入社7年目。
趣味のサッカー観戦、本職のお掃除、サポーターとして経験したこと、新潟のよいところを書いてます。