マチココロ

サッカー観戦と本業のお掃除、新潟のよいところを綴っています。

アルビレックス新潟

新しい景色を見るために

1年前。
新体制会見前の私はどちらかというとワクワクではなくハラハラしていた。
2022年シーズンのJ1の試合をDAZNで見ていて、その強度とスピードに戦々恐々としていた、
ゴール前での時間が圧倒的に違う。体格も全然違う。うちの選手は吹き飛ばされてしまうんじゃないか。個人の技術で突破されたり封じられてしまうこともあるんじゃないか。

選手補強も最低限、評論家達の評価も真っ二つどころか、下位予想が多かった。

J1でもこのくらいはできるはずだ、できるだろうという確信的なものが何もないまま、2023年シーズンが始まった。

そこから試合を重ねるうちに、徐々に試合の強度とスピードに慣れていくのと比例して、ピッチの誰もがまず涼太郎の存在を探すようになった。もちろん相手も分かっているので、涼太郎のプレーエリアはどんどん狭まっていく。後から考えれば涼太郎頼みになっていた部分があったと思う。

涼太郎の移籍が発表されて、ピッチに13番がいなくなってから、選手たちの意識が変わっていったように思う。一人ひとりがボールを前に運ぶ意識が強くなった。ピッチにいる全員でゴールに向かって推進していく。

夏以降、徐々に一人ひとりがパフォーマンスを出せるようになっていった。一人ひとりの強度が足りなくても、パスワークで相手が寄せる前にパスを出せば良い。スピードで勝てなくても読みを効かせて相手よりも先にボールに触れれば良い。

ビルドアップで相手の圧力によりピンチになることももちろんあった。ボールを奪取されて失点してしまったこともあった。
それでも、ボールを回さなければ良いなんて声は少なくとも私の周りでは上がらなかった。選手たちのプレーを信じていた。選手の勇気に拍手し、鼓舞して一緒に戦い続けた。

私たちを支え続けたのは、ブレないスタイルだった。
誰が出場してもアルビレックス新潟のサッカーを体現した。
ミスから失点しても退場者を出しても、ブレなかった。
VARが嫌いになりそうになりながらも戦い続けた。

だからこそ、この開幕と最終戦のセレッソ大阪戦は自分たちの成長の指標になった。
開幕戦では圧力を前に息が詰まりそうな90分だった。個人の技術でもやられた。
目の前に広がる情報量の多さとそのスピードで頭がパンクしそうだった。

最終戦は我慢比べとなったが、自分たちのサッカーを貫くことができた。
長短のパスを多用して、ピッチ上の選手たちが参加して攻撃を作り上げていく。

最終戦の決勝点はピッチ上の11人15本のパス回しから生まれたゴール。
2023年のアルビレックス新潟の終着点はここだと胸を張って言えるゴールだった。

Jリーグのある週末がどれほど幸せなことなのか。
私たちの人生はサッカーに彩られている。

試合がない日も、試合がある日も。
私たちの人生にはJリーグがある。

今はまだ再開の時期が見えないけれど、きっとまたスタジアムへ足を運ぶ日々が帰ってくる。
『私たちのJリーグが帰って来るまで』より引用

これは2020年3月22日に私が書いたブログの一節だ。

4シーズン振りに私たちの元にサッカーのある日常が帰ってきた。
行動制限もない。
観客動員に制限もない。
観戦方法に制限もない。

行きたいスタジアムに行って、大好きな仲間たちに会って、声を張り上げて、力の限り拍手を送る。

試合後には仲間たちと集い、時に勝利の喜びを分かち合い、時に悔しさを零し合う。
そんな日常が帰ってきたシーズンだった。

私は今年からシーズンパスを購入したが、Nの二層目から観戦するのがお気に入りになった。最終ラインから刺すのが見える。選手たちがどのような意図でパスを出しているのかがよく見える。さらには体力に自信がなくても、座りながらチャントを歌っても拍手をしても楽しめるそんなエリアだ。見たことがない人はぜひ見てみてほしい。

日常が帰ってきた喜びを噛み締めていたのもつかの間、2023年シーズン終了後の秋春制の正式決定によって私たちの感情は大きく揺れた。
Jリーグからのプレスリリース

決まった以上私たちにできることは、トップリーグに在籍して発信し続けること、そして優勝して証明することだ。
新しい景色を見るために2024年シーズンも選手、クラブ、スタッフ、スポンサー様、サポーターそして社長と共に闘い続けます。

シーズンが開幕したらまたお会いしましょう。

最後に、令和6年1月1日に発生した能登半島地震にて被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。皆様が1日も早く穏やかな日々を過ごせますように祈るばかりです。




-アルビレックス新潟

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マチ神奈川県川崎市在住、東京都調布市出身。
新潟に無縁だったアルビレックス新潟サポーター16年目、家事代行会社入社8年目。
サッカー観戦、本職のお掃除、サポーターとして経験したこと、新潟のよいところを書いてます。