マチココロ

サッカー観戦と本業のお掃除、新潟のよいところを綴っています。

Jリーグ アルビレックス新潟

私たちのJリーグが帰って来るまで

2020年3月12日。
Jリーグから正式に再延期が発表された。

3月18日からのリーグ戦の再開を心待ちにしていたけれど、新型肺炎の事態は沈静化するどころか、世界規模での感染の拡大が続いてる。
サポーターの目から見ても、再開が難しいことは火を見るより明らかだった。

頭では仕方がないと分かっていても、Jリーグが再延期になり私の心はぽっかりと穴が空いたようだった。アルビレックス中心だった3月の予定が一気になくなったこともあるだろう。

私の日常は、平日に仕事がうまくいかなかった時も、週末になればスタジアムでみんなに会えた。みんながいるから頑張れた。
だから、スタジアムで抱く感情や過ごす時間を大好きな人たちと共有できなくて寂しいのだと気づいた。

社会人になってから同じ感情を重ねる時間がいかに貴重なのかを知った。同じ会社、同じ部署にいて、同じ目標の中で動いていたとしても、同じ感情を重ねるのは容易ではない。色々な立場や目標があるからだ。
しかし、サッカー観戦は立場に関係なく、みんなが勝利に向かって闘い、同じ感情と時間を重ねていく。

スタジアムが、声援が、拍手が、プレーが、私たちの感情を突き上げたり突き落としたりする。こんなに誰かと泣いたり怒ったり喜んだり、感情を爆発させる瞬間はないだろう。

もちろんサッカーの試合のあとに訪れるのは勝利の瞬間ばかりではない。でも、日々の中に苦しい出来事があっても、悲しい出来事があっても、サッカーを見ている90分間は目の前の試合に夢中になれた。サッカーから力を得て乗り越えられた。私は何度もサッカーに心を救われた。

私たちにとって救いだったのは、Jリーグ自身がJリーグが何のために存在しているかを示してくれたことだと思う。

「お客さんと共に全試合を実施する前提で、スケジュールのやりくりを考えています」

Jリーグは私たちサポーターのことを一番に考えてくれた。

アルビレックス新潟の是永社長も触れている。

「人と人とをつなげることがフットボールクラブの存在価値」

もし、順位を決めたいだけなら試合を消化するために無観客という選択肢もあった。
もし、広告収入を得たいだけなら無観客でテレビ等で放映するという選択肢もあった。
しかし、Jリーグはそれらの選択肢を取らなかった。

それはJリーグがサポーターをはじめとした人のためにあって、そしてJリーグが人と地域を結ぶ存在だから。
Jリーグができる限りの手をつくし、私たちに伝えようとしている。
それは、SNSなどに会見の様子を逐一出してくれていることからも感じることができた。

もし私がJリーグを見ていなかったら。
サッカーを応援せず、人のつながりを持っていなかったらどうなっていたか。想像がつかない。

今回の新型肺炎についても感染拡大に恐怖して自宅に籠もり、深刻化し続ける事態を報じる情報に囚われ、きっと体よりも心が先に病んでいたに違いない。

サッカーがないと私の毎日はなんて平坦なんだろう。なんて感情の振り幅がなんて狭いんだろう。
少なくとも私はこの振り幅を失ったら、日常に感情の起伏がない人生だったかも知れない。でも、私は感情の振り幅が狭い人生なんて嫌だ。

Jリーグのある週末がどれほど幸せなことなのか。
私たちの人生はサッカーに彩られている。

試合がない日も、試合がある日も。
私たちの人生にはJリーグがある。

今はまだ再開の時期が見えないけれど、きっとまたスタジアムへ足を運ぶ日々が帰ってくる。

Jリーグがあったから、悲しい涙も悔しい涙もたくさん流してきた。

だけどやっぱり私はJリーグが好きだ。
街と人に寄り添い、私たちを熱くさせてくれるJリーグが好きだ。

もう少し、みんなで頑張ろう。
私たちのJリーグが帰って来るまで。




-Jリーグ, アルビレックス新潟

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マチ神奈川県川崎市在住、東京都調布市出身。
新潟に無縁だったアルビレックス新潟サポーター16年目、家事代行会社入社8年目。
サッカー観戦、本職のお掃除、サポーターとして経験したこと、新潟のよいところを書いてます。