マチココロ

サッカー観戦と本業のお掃除、新潟のよいところを綴っています。

アルビレックス新潟

「心をつなぎ越えていく」のであれば、あんな薄っぺらい言葉で終わらせてはいけない。

10:40、私のスマホに【鈴木 政一監督 契約解除のお知らせ】が静かにやってきた。

そして14:11に中野幸夫社長からのコメントが公式サイトに掲載される。
【アルビレックス新潟に関わる全ての皆様へ】
昼食中だった私も目を通したが、あまりにも中身がないテンプレートのような文章に失望してしまった。

大分戦の大敗は鈴木監督の解任を予感させるものであった。だからこそ、鈴木監督が解任された際に、中野幸夫社長が、そしてクラブからどのような発信があるかをずっと待っていた。

3連敗。ビッグスワンでわずか1勝。J2で19位。残留争い。出口が見えないトンネルにいるような日々・・・。
真っ暗で何も見えない中にポツンと取り残されているような感覚がしているのは私だけではなかっただろう。

だからこそどうしても知りたかったのだ。
私たちはどこに向かえば良いの?何を目標にしているの?
クラブは残りの15試合をどんな気持ちで臨むの?

クラブはこういう気持ちで残りの試合に臨むから、サポーターも覚悟を決めて一緒に闘ってほしい。
そういう想いが伝われば充分だった。

しかし、中野幸夫社長から発信されたコメントはあまりにもうすっぺらでテンプレートのような文章だった。

サポーターの皆様、後援会の皆様、株主の皆様、スポンサーの皆様、ホームタウンをはじめとした自治体の皆様、アルビレックス新潟に関わるすべての皆様からは、多大なるご声援・ご支援とともに期待を寄せていただいております。残り15試合、皆様のご声援・ご支援にお応えし、クラブが一丸となって向き合うために、監督の契約解除を決断いたしました。

本日から、トップチームは片渕浩一郎ヘッドコーチが指揮を執ります。8月11日にはホームで栃木SC戦も差し迫っております。選手・チームスタッフ・フロントを含めたすべてのスタッフが、片渕浩一郎ヘッドコーチのもとに結束して臨むことが重要であると考えております。

アルビレックス新潟に関わるすべての皆様、ここまで常に温かいご声援・ご支援を賜り、心から御礼申し上げます。ぜひ、引き続き温かいご声援・ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

監督を解任するに至った理由も、社長からの想いも伝わって来なかった。
一丸となって向き合うために監督を解任したと記載されていたが、監督一人を解任したところで、何も精算されないではないか。

こんな状況ですが(余計なこと何も考えず)引き続きご支援くださいと言われているような気がしてしまった。

今、アルビレックスはバラバラになり、危機的な状況になっている。
”信じてください、ついて来てください”では誰も応えらえれないところまで心が離れてしまっている。
『ぜひ、引き続き温かいご声援・ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。』
と言われても、この言葉だけで納得出来ないのは当然だろう。

片渕さんの動画を見たが、社長の代役で出されたようにしか見えず、3年連続3回目の監督代行となったフチさんへの申し訳無さでいっぱいだった。

本間勲の引退試合を見て、昔は良かったと懐古している人は多かっただろう。
ただし、私が大好きだったアルビレックスは、全然強くなかったと思う。

パスも繋がらなくて、ボロ負けの試合もたくさんあった。
それでも選手達は、試合後、私たちを真っ直ぐ見つめて「次こそ勝つ」という想いが伝わってきた。
相手にボールを上手く運ばれてしまって、必死に走り回るあまり、試合の終盤に足をつってしまうことも、試合後に倒れ込むこともたくさんあった。
それでも選手のみんなが一生懸命で、泥臭くてひたむきだった。
そんな姿が大好きだったし、その姿を見て応援したいと思ったし、自然に声も拍手も出た。

今の私たちは本当に勝てないのがつらかったのかな。
本当は勝てない以上に、伝わらなかったのがつらかったんじゃないかな。
選手の想いが、監督の想いが、クラブの想いが。

全てが見えなくて想像するしかなかった。
選手もきっと苦しいよね?辛いよね?
私も頑張って応援するから一緒に闘おう。

でもどんなに必死に応援しても選手に届いているか分からなかった。
ぬかに釘を打っているかのようだった。
私たちの声や拍手は届いているの?

目の前に試合が積み上げられて一つずつこなしていく。
ただただ90分が終わっていく。
そんな試合はもう見たくない。

未来ある子供たちに『夢を与えられる人づくり』に貢献します。
地域の人々と共に『活気あふれるまちづくり』に貢献します。
地域と世界を結ぶ『豊かなスポーツ文化の創造』に貢献します。

このクラブコンセプトを思い出そう。今こそ、この原点に立ち返るべきだ。
その上で時代の変化とともにクラブも私たちも変わらなければならないのではないだろうか。

アルビレックス新潟のクラブコンセプトを検索したところ、コーポレートプロフィールなるものがでてきた。
そこにはアルビレックスの成果としてこう記載されている。

アルビレックス新潟は日本を代表とするクラブとして成長することを目指すとともに、新潟の方々には欧州などでは日常化している『スポーツをする楽しみ、観戦する楽しみ、支える楽しみ』を提供していきます。

15年応援しているが、はっきり言って苦しさの方が多い。クラブがサポーターやスポンサー様との関係の歪に気づかなければ、このクラブはきっと変わらないだろう。

そして、私たちには、悪い時は悪いと伝える勇気が必要だ。

言葉を紡ぐのは難しい。このブログを書くだけで5時間以上かかっている。
クラブとして大切なメッセージをあんな薄っぺらい言葉で終わらせてはいけないのと思うのだ。「心をつなぎ越えていく」のであれば。

私は今週末もビッグスワンに向かう。フチさんと選手と未来を掴み取るために闘うのだ。
出来ることは全部栃木戦の90分に注ぎ込もうと思う。




-アルビレックス新潟

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マチ神奈川県川崎市在住、東京都調布市出身。
新潟に無縁だったアルビレックス新潟サポーター16年目、家事代行会社入社8年目。
サッカー観戦、本職のお掃除、サポーターとして経験したこと、新潟のよいところを書いてます。