2018年5月16日。
ロスタイムが何分あるのか分からないうちに試合終了のホイッスルは突然やって来た。両チームともにバタバタ倒れこむ。
J2クラブとして初めて出場したルヴァン杯においてアルビレックス新潟は惜しくも決勝トーナメントを逃す結果となった。
昨年のシーズン中は、とにかく○宮の下で最下位では終われない。
その気持ちでがむしゃらに勝ち点を積み上げた。
最後の4連勝でギリギリ17位に浮上。柏さんのACLプレーオフでの勝利によって2018年のルヴァン杯の出場の機会を得た。
私を含めてきっと多くのアルビサポはルヴァン杯出場に決して前向きとは言えなかった。
ただでさえ多いJ2の試合。
そしてJ1在籍時とは異なり、J2の相手チームは1週間のブランク、ウチは中2日なんてことも簡単に想像出来た。連戦に次ぐ連戦になる。
決して選手層も厚くない。
不安だらけのスタートだった。
しかしルヴァン杯から私たちは2つのものを得た。
1つは出場機会。
J2のリーグ戦1本では当然1試合も落とせない。
サブにも入れない選手たちをいきなり試合に出すことは慣れないJ2リーグの中ではかなり困難だっただろう。
J1と公式戦と言うチャンスはサブ組に試合勘を持って貰う最高の舞台になった。
1つはモチベーション。
J1クラブとの公式戦はまたとないアピールの場となった。
今回の予選ではFC東京と横浜F・マリノスさんがリーグ戦と全く遜色ないメンバーを組んでくれたのも大きい。
それぞれが調子を落とし勝てていない状況でとにかく勝たせたかったのだろう。
力の差をはっきり感じるところは正直あったが、私も選手も手応えは感じる内容だった。
マサくんもルヴァンで活躍した選手をリーグ戦でも引き上げて出場させたから、モチベーションは相当上がったに違いない。
そしてルヴァン杯で得た連携がチーム戦術の浸透にも繋がったと思うし、新太もさちも高木も出場機会を得た選手の動きが洗練されて来た。
ターンオーバーしきれずに苦しい時もあったけれど、ルヴァン杯はアルビレックス新潟にとってまぶしいくらいの希望の光になったと思う。
J2はじめての対戦ばかりで自分たちが強いのか弱いのか相性が悪いのか疲労があったからなのか分からなかった。
仙台・マリノス・FC東京という、よく行っていたスタジアム、いつも対戦していたチームと戦うことで自分たちに何が出来てないができていないのか分かった。
闘い抜いて思ったのは、ルヴァン杯に出場出来て本当に良かったと言うこと。
ルヴァン杯のおかげでJ2アルビレックス新潟が自分たちの現在地を再確認出来た。
この先もう道しるべはない。
自分たちで現在地を定めて進むべき道を決めて歩んでいくしかない。
それでも、今の私たちなら自分たちの力を信じて、この厳しいシーズンを歩んでいけるはずだ。