世間からすると『順当勝ち』だったのかも知れない。
終わってみれば、2-3。
選手は力を尽くしてた。
本当にギリギリの闘いをしていたと思う。
私たちもともに死力を尽くして応援した。
二度と追い付かれながらも勝利を信じて応援してた。
だからこそホイッスルが鳴った瞬間は全てが止まった。
時間の波に取り残されてた気分だった。
スタジアムの照明まで祝福しているかのように光が降り注いでて、
水色のユニフォームの方々の歓声が響き渡っている。
終わってみれば、私たちは敗者だった。
悔しいことは今までもいっぱいあった。
嬉しいことよりもずっと多かった。
あぁ、つらいなぁ。
スタジアムで応援をして試合が終わったあとに、『つらい』と思ったのは久しぶりだった。
歓喜に湧く水色と失意のオレンジと言うコントラストのピッチを眺めながらふと思ってしまった。
川崎はファーストステージが1敗のみ。
セカンドステージも2戦2勝。
世間からすると『順当勝ち』だったのかも知れない。
それでも、あの瞬間私たちはきっとみんなつらかった。
サッカーは順位だけでは語れない。
順位が上だから勝つとか下だから負けるとかがサッカーではないことは分かってる。
だからこそ私たちはスタジアムへ向かう。
愛するチームの勝利を信じて。
そしてどんな結果であっても一緒に共有したい。
そう思って来た。
それでも、残り10分の結末を受け止めるのはつらかったんだ。
あの600秒には残酷なほどのドラマが待っていた。
下を向いていたってすぐに試合はやって来る。
正直、『切り替える』なんて無理だ。
そんなスマートに出来るはずがない。
だったら、歯をくいしばってどん底から這い上がるしかない。
闘え新潟。
今度こそ勝利を掴め。