私にとってFC東京はどんな状況でも負けたくない相手だ。私の地元クラブであり、降格したことはあったものの順位はFC東京が上位にいる年が多かった。
今年は対戦がないと思っていたところにこうしてルヴァン杯で激突することになるのだからどういう運命のめぐり合わせだろうか。
私個人にとっては現地観戦は今シーズン2試合目だった。
今シーズンの初戦となった開幕の讃岐戦ではかなり衝撃を受けた。
讃岐には勝利したものの、決して手放しで喜べる内容ではなかった。前半始めのシュートが入っていたら全然違う展開になっていただろう。
芝もジャッジもクラブそれぞれのカラーも今まで自分が見て来たものとはいかに均一化された世界だったか思い知らされたし、戸惑いを隠せなかった。
開幕戦は勝利した訳だが、勝利をしても42試合のうち1試合しか終わっていない。ほっと出来るのも一瞬に近い。正直、この苦しい感覚があと41回も続くのかと思った。
3節が終わり順位表を見ても、この結果が良いスタートなのかつまずいているのかも分からない。
昇格という目標を達成させるためには内容はともかく勝ち続けるしかない。
そういう感覚だった。
そのあと、画面を通して見たホーム2試合とルヴァンの仙台戦はいずれも引き分けで3/14の味の素スタジアムの試合を迎えていた。
うちはスタメンをガラリと入れ替えて、控え選手を中心に構成していた。キャプテンマークを巻いていたのはヤス。
一方でFC東京はほとんどがリーグ戦でスタメンを張るメンバーで構成され、J1主力級の選手で構成されるFC東京とJ2の控え組で構成されるアルビレックスという構図となった。
正直、ほとんどシュートまで行けず、パスも前に繋がらず苦しい90分に、久保くんのJ1初ゴールという記録までついて来てしまった。
結果は0-1での敗戦だったが、よく頑張ったという感覚ではなく、ふつふつと悔しさが沸いて来たのだ。また両親が応援するFC東京に勝てなかった。不調のFC東京に勝利を渡してしまった。
どんな相手に負けるよりFC東京に負けるのは悔しかった。
私はルヴァン杯に出場出来ることがうれしい反面、コンディション面で不安を覚えていた。J1にいた時は連戦と行ってもルヴァンの日程の都合上、ほぼ横並びの試合数であったが、ルヴァン杯に出場することでJ1でのACL出場チームのような、自分たちは中2日・中3日の過密日程なのにほかのクラブは1週間間隔という日程が組まれていたからだ。
しかし私たちのクラブはルヴァン杯へ出場することが出来て本当に良かったと思う。
まず、サポーターも選手も新たな気持ちで試合に臨むことが出来た。
ルヴァン杯に出場する私たちはチャレンジャーであり、選手も出場機会を増やそうとアピールする選手ばかり。
実際政くん監督はルヴァン杯で調子の良い選手にリーグ戦でも出場機会を与えていたから明らかに選手のモチベーションが高い。実践を積むことで戦術の浸透も深まった。
FC東京のいわゆるガチメンバーと接戦を演じることが出来て、気持ちが固まった。
政くん監督がやりたいことは間違っていない。
やりたいこと、出来ることは見えて来ている。
難しい時期だからこそ、もっと後押ししなければ。
関東での2連戦ということもあり、ニッパツ三ツ沢球技場に駆けつけた方の多くは、おそらくあのルヴァン杯の試合を目の当たりにしただろう。
ここで勝ち点3を取れるかどうかで状況が変わってくる。
アイシテルニイガタから始まった応援は私たちの心を引き締めた。
何とか勝たせたい。
精一杯選手を後押ししよう。
アルビレックスのサポーターの応援はスタジアムを飲み込んでいた。
何重にも重なり合う声が相手のミスを誘発させる。
ゴールと一つずつ重ねて私たちは3-0で勝利を収めることが出来た。
結果は開幕戦以来の勝利。全てがうまく行ったとは思わない。
それでも何も見えないトンネルの中で自分たちの道筋を照らすには十分な光だった。
今週も当たり前のように試合が続いていく。
目の前の一試合一試合が目標へに繋がっているから、一歩ずつ踏みしめてクラブとともに成長してきたいと思う。
※サムネイル写真:@love_hiroshi026 さんよりご提供(ありがとうございます!)