マチココロ

サッカー観戦と本業のお掃除、新潟のよいところを綴っています。

アルビレックス新潟

“みんな”で輝く星を共に掴もう

2024年10月13日 JリーグYBCルヴァンカップ プライムラウンド 準決勝 第2戦。
私たちは決勝の舞台を懸けて川崎フロンターレと対戦した。

3日前の水曜日に対戦した第1戦では4-1でアルビレックス新潟が勝利。
第2戦で大崩れしなければ、アルビレックス新潟が決勝に進出できる。
しかし9月27日のリーグ戦で1-5で敗戦していたこともあり、私たちには川崎フロンターレであればこの状況を覆しかねないという並々ならぬ緊張感が漂っていた。

私は準決勝の相手が川崎フロンターレに決まってから昨年の天皇杯準々決勝の時に書いたブログを何度も読み返していた。
私たちは、夢を現実にする力が足りなかった

準決勝 第2戦で逆転され、決勝の舞台に辿りつけなかった2015年10月11日。
そこからJ2への降格とJ1への昇格を経験して、ようやくここまで辿り着いた。

“みんなで決勝に行く”
“みんなで星を掴む”

自分の中で何度も何度も繰り返した。

第2戦も小見ちゃんと修のゴールで2-0で勝利。
トータルスコア6-1でアルビレックス新潟はクラブ史上初の決勝進出を決めた。

試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、私は『本当に国立決勝に進めるんだ・・・!こんな日が来るんだ・・・!』と言葉を漏らした。

ハルヲスイングで選手と周囲のみんなと喜びを噛みしめる。
『次は国立で!』
そう言って、友人たちと等々力競技場を後にした。

あと1つ。
みんなで決勝に行ける・・・!
タイトルの懸かった試合に挑める・・・!

クラブが四半世紀をかけて初めて掴んだ決勝の舞台。
私自身も初めての舞台に胸が高鳴った。

祖母の訃報を受けたのは、決勝進出を決めた川崎戦の翌週の10月20日の朝だった。

ずっと病院に入院していた祖母。
今年に入ってから、父からは『覚悟をしておいて欲しい』と言われていた。
だから訃報の連絡が来た日から10月25日の火葬式当日まで、目眩を引きずりながらも、仕事では”いつも通り”過ごした。

火葬場で涙で霞んで見える祖母を笑顔で見送り、遺骨と一緒に実家に帰って食事を済ませてからの自宅への帰り道。
祖母と何度歩いたか分からない”いつもの道”を1人で歩いて、涙がポタポタと止まらなかった。
マスクで涙を隠しながら帰宅して、布団に包まってから声を上げて泣いた。

1〜3歳まで叔母と祖母と3人で暮らしていたこともあって、私の味の好みは祖母譲り。
祖母はお花が好きだったので、よく花屋さんや植物園に連れて行ってくれた。祖母が花について色々教えてくれるので花を愛でるのが好きになった。
家族の中で唯一の左利きだったこともあり、器用だった祖母が箸の持ち方もハサミの切り方も針の縫い方も教えてくれた。左利きの私にとっては教科書よりずっと分かりやすかった。祖母のおかげで裁縫や木工が大好きになった。
忙しい父に代わり、幼い頃に遠出させてくれたのも祖母だった。

思えば、私の好きなものは祖母の影響が大きかった。

アルビレックス新潟を応援するようになって、全国を飛び回るようになってからは、いつも祖母にお土産を買って帰るのが定番になっていた。
お土産を渡しながら、現地での土産話を喜んでくれたのが嬉しかった。

「また行ってきたの!あんた本当に好きねぇ!」
そう言いながらも、祖母はいつもアルビレックス新潟の試合結果を気にしてくれていた。

元々すぐ近くに住んでいたけど、高校の入学のタイミングで同居して、社会人になって実家を出るまで、ずっと私の朝ごはんを用意してくれたのは祖母だった。

時に厳しい一面を持ちながらも、いつだって私を心配して、いつだって私を応援してくれていた。

毎日仕事が遅くなっていないか。
ちゃんとご飯は食べているのか。
夫とは喧嘩をせずに仲良く過ごしているのか。
実家に帰る度に同じ質問をされていた。

祖母はずっと気にかけてくれていたけど、この2〜3年は会話をすることもままならなくなっていた。

いつかはこの日が来ると分かっていたのに。
私は祖母との日々を大切に出来ていたんだろうか。

私の手元に届いた2024年11月2日の国立競技場のチケット。

みんなで決勝に行ける・・・!
等々力ではそう思った。

でも、本当に”みんな”なのだろうか。

2004年のJ1開幕戦の東京スタジアムの待機列でお孫さんと一緒に目を輝かせていた御婦人はお元気だろうか。
2007年の柏の葉での柏レイソル戦で、新潟に無縁なのに応援することに悩んでいた私の話を聞いてくれたご夫婦は国立にいらっしゃるだろうか。

25年目という月日は決して短くない。
先輩たちが繋いでくれた思いの先で、私はクラブと一緒にこの舞台に立っている。
2024年11月2日の試合はきっと、何十年も語り継がれる試合だ。

人生の分岐がたくさんある中で、今この決勝の舞台を直接目にできることはどれほどの奇跡なのだろう。

2024年11月2日はスタジアムに来られない方々の分まで、
アルビレックス新潟をずっと空から見守ってくださっている方々の分まで、
精一杯戦いたい。

最後の1秒まで声で全力の後押しを。
力いっぱいの拍手を。

あと1つ。
“みんな”で輝く星を共に掴もう。




-アルビレックス新潟

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マチ神奈川県川崎市在住、東京都調布市出身。
新潟に無縁だったアルビレックス新潟サポーター16年目、家事代行会社入社8年目。
サッカー観戦、本職のお掃除、サポーターとして経験したこと、新潟のよいところを書いてます。