マチココロ

サッカー観戦と本業のお掃除、新潟のよいところを綴っています。

アルビレックス新潟

クラブへの愛を叫べるその日まで

2022年5月11日。
1選手の新型コロナウイルス感染症の陽性診断の結果が公表された。

翌5月12日にも3選手の新型コロナウイルス感染症の陽性が発覚。アルビレックスにとってはシーズン前のキャンプ以来となる選手への感染。

FC町田ゼルビア戦の前日にも1名の陽性が確認され、町田戦については当日のスクリーニング検査を実施した上で、条件を満たしたメンバーで出場すると発表された。これ以上感染が拡大しないで欲しい。そう祈ったのは私だけではないだろう。

そして当日。
開催を信じて自宅を出発。全席指定席だったこともあり、私はスターティングメンバーの発表をスタジアムへ向かうシャトルバスの車内で知った。良かった、試合が開催される。安堵したのもつかの間、メンバーを確認して前節まで名前があった選手たちの名前がないことに気がつく。

選手・クラブスタッフ・サポーターの総力戦となることを覚悟した。

いつもとは違う緊張感。選手が姿を現すとゴール裏から熱量を感じる。みんな目の前の試合がどんな状況で開催されて、どんな意味を持つかを理解していたはずだ。

頑張って、頑張ろう。私たちがついてる。声は出せないけれど、みんなそう伝えていたはずだ。

試合はアニメでも描かないような仰天シュートが決まり、0-1で折り返し、後半立ち上がりに追加点を取られる苦しい展開。

75分にFW3枚を交代して攻撃に厚みが出る。サポーターの拍手もそれに呼応してどんどん大きくなる。ロスタイムにPKを獲得。これを孝司さんが決めて1-2とするもののタイムアップ。ゴール裏からもあまりの悔しさに各々言葉にならない声が漏れる。あと一歩届かなかった。

私自身、野津田GIONスタジアムは3年振りだった。3年振りに訪れたら新たなバッグスタンドがそびえ立っており、時の流れを実感した。

この2年間、新型コロナウイルスの感染拡大により、関東圏の試合はアウェー席が設置されないことが度々あった。特に東京都内にある味の素スタジアムと町田GIONスタジアムは関東サポーターにとって、2シーズンアウェー席が設置されないと言う点で難攻のスタジアムになっていた。

関東に住んでいるのに関東のスタジアムへ行けない。自宅から会社よりも近いスタジアムすら、後押しすることが憚られる。自宅のテレビから関東の見慣れたスタジアムを眺める違和感。

3月30日の水曜日に開催されたジェフユナイテッド市原千葉戦でも試合に飢えたサポーターがこれでもかと言うほど詰め掛けてはいたが、FC町田ゼルビア戦は関東で今シーズン初めての土日開催で制限がない中での開催ということもあり、久しぶりに再会する人も多かった。

きっと2年振りにスタジアムへ足を運んだ人も居ただろう。元々の関東で開催試合数に加えて、アウェー席の未設置の試合も数試合。さらに県境を越えてビッグスワンへの参戦も躊躇われた。上京して初めて試合観戦に訪れた人もいただろう。

久しぶりの野津田GIONスタジアムはオレンジのユニフォームでスタジアムへ行くことも、スタジアムグルメを楽しむことも、愛するマイクラブの選手たちに拍手で後押しできた。この2年間を考えれば、スタジアムが少しずつ本来の姿を取り戻しているように思える。

そして週明けにはJリーグから声出しでの応援の実証実験を行うと発表された。

新型コロナウイルスの感染が拡大してから2年と少し。
試合の延期、無観客、有観客、アウェー席の設置、収容人数の拡大、そして声援の検証まで来た。その一方で新型コロナウイルスの感染拡大によって試合が中止されるかも知れない、選手に欠場が出てしまうかも知れないと言う不安がなくなった訳ではない。新しいウイルスの型が確認され、感染が拡大する可能性もある。暫くはこの一進一退を繰り返すのだろう。そして私は新型コロナウイルスのニュースで一喜一憂するのだ。それでもきっと、私たちのスタジアムでの日常がもうすぐ帰ってくると信じたい。

少し想像しただけでも分かる。きっと声援が許されるようになったら、声よりも涙が止まらなくて思ったように歌えないだろう。マスクの中が涙で大変なことになっているに違いない。試合が始まる前に声が枯れてしまいそうだ。
でも、そんな日が早く来てほしい。

みんなで頑張ろう。
クラブへの愛を叫べるその日まで。




-アルビレックス新潟

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マチ神奈川県川崎市在住、東京都調布市出身。
新潟に無縁だったアルビレックス新潟サポーター16年目、家事代行会社入社8年目。
サッカー観戦、本職のお掃除、サポーターとして経験したこと、新潟のよいところを書いてます。