マチココロ

サッカー観戦と本業のお掃除、新潟のよいところを綴っています。

アルビレックス新潟

昇格が消滅した直後の試合で私は何を見たかったのか。

よし、松本に行こう。
友人に誘われてチケットを購入したのは11月3日の16:40。

第37節磐田戦での敗戦。2021年シーズンでのJ1への昇格が消滅した40分後の出来事である。

私は松本戦で何を見たかったのか。
理由は主に3つだったと思う。
・2年ぶりにアルウィンに行きたかった。
・サッカーをスタジアムで観たかった。
・勝ちたかった。

3つの理由を並べると単純明快だ。

でも、明快な理由に至るまでが時間がかかった。
私が現地で最後に見た試合はアウェーの長崎戦。この試合で引き分けたことで、今シーズンの昇格が現実的には厳しくなった。私は長崎の地で、言葉にならないくらい落ち込んだ。

いつの間にか昇格の可能性が消えていた昨シーズンとは異なり、今シーズンは夏以降、目に見える形で順位が落ちた。昇格の可能性が低くなっていく中で、はっきりとした悔しさがあった。
首位だった時間が今までで1番長かったからこその実感。そして1位という順位にいたからこそ、込み上げてくる感情。

ぶつけたくなる言葉もたくさんあった。
でも、飲み込むしかなかった。

42試合の長いシーズンの中では、アルビレックスだけではなく相手チームも成長する。対戦相手をスコアで上回れなかった。ただ、それだけだった。

気がつけば私も長い年月アルビレックスの試合を見て来たが、良いシーズンだったと振り返れる年なんて残念ながら滅多にない。シーズンを重ねれば重ねるほど、悔しさばかりが積み重なっていく。

長崎戦では俯きながら申し訳なさそうにゴール裏へ来る選手たちの姿が苦しかった。
ああ、この目の前の選手たちと一緒に喜びたい。笑って欲しい。そして、努力が報われて欲しい。そう思った。

この2年間のコロナ禍で、私自身普通に働くだけでも心を病みそうだった。モチベーションを保ち続けて今まで通り仕事をするだけでも難しい。
選手たちは毎シーズン、春から冬の最終戦まで、毎週末に行われる90分間で仕事が評価される。もちろんコロナ禍でもそれは変わらない。その中で人生と誇りを懸けている。一人ひとりが新潟のために毎試合全力だ。そのプレッシャーは想像できない。
私はあまり強い人間だとは思っていないから、ストレスを自分の身体から外に逃がす工夫をしている。ランチをしたり、買い物に出かけたり、緊急事態宣言が開けたこともあり、お店に立ち寄ってビールを飲みながら、餃子を食べて、家族に好きなことを話す。色々な方法でリフレッシュできるようになった。
でも、選手はまだまだ制限が多いはずだ。さらに自分を律しながらパフォーマンスを維持し、感染防止にも努めている。

この世の中で仕事をすること自体がすごく大変なことだと思う。私はいち社会人として選手たちを尊敬している。
だからこそ、私は1試合でも多く彼らの笑顔が見たかった。彼らと一緒にバンザイをしたかった。

松本戦の結果は残念ながら引き分け。
彼らの笑顔を見れなかった。

落ち込みながら帰路につき、足どり重く月曜日から絶望感と一緒に出社して、そこからは怒涛な平日を過ごしている。気がつけば次の愛媛戦が近づいて来た。

サッカー観戦は負ければ落ち込むし悲しいし、頭にくることもいっぱいある。楽しい時間なんて、長いサポーター人生からしたらほんの一瞬だ。
でも、やっぱり私はアルビレックスが好きだ。一緒に笑顔になれる時間が大好きだ。

今シーズンは嬉しさも悔しさもたくさんあった。残りの4試合でひとつでも多く、選手たちの笑顔が見れますように。




-アルビレックス新潟

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マチ神奈川県川崎市在住、東京都調布市出身。
新潟に無縁だったアルビレックス新潟サポーター16年目、家事代行会社入社8年目。
サッカー観戦、本職のお掃除、サポーターとして経験したこと、新潟のよいところを書いてます。