アルビレックスの応援でこの景色を見たのは15年ぶりだった。
2019年4月28日、平成最後の試合を私は水戸で観戦した。
平日にチケットが発売されたこともあり、私はゴール裏のチケットを購入することが出来ず、メインスタンドサイドから試合を見ることにした。
私が最初にアルビレックスの試合を現地で見た時は2004年の開幕戦の味の素スタジアムで、その時はまだサポーターでもなく、たまたま当選したFC東京の招待券であった。
その試合以来、15年間アルビレックスの試合はずっとゴール裏で応援をしてきた。
関東在住でアウェーの観戦が多かったので堂々とアルビレックスを応援したくてゴール裏を選択してきたのもあったが、私自身がゴール裏で応援することで目の前で繰り広げられる試合に協力するというか、参加したかったのかも知れない。
10連休のゴールデンウィークの影響をもろに受けて、私たちが乗るバスは試合開始直前に到着した。
メインサイド席もアルビサポですでにびっしりで、何とか空いていた席を見つけて夫と腰をかけた。
ケーズデンキスタジアムだからというのもあったかも知れないが、ゴール裏から感じるメインスタンドまでの距離よりもずっと、メインスタンドから感じるゴール裏までの距離の方がずっと近く感じた。
普段ならチャントを歌っている間はほとんど拍手をしない。
しかし、メインスタンドの人たちの中にはチャントにもコールにもずっと手拍子を送り続けている人がいた。
私自身がメインスタンドやバックスタンドから降り注ぐ拍手に励まされていたことを思い出し、私も周囲の人たちと一緒に手をたたき続けた。
メインスタンドから試合を観戦していると、ゴール裏にいる時以上に1つのプレーで応援が大きくうねるのを感じた。
特に後半は目の前のゴール前に攻めて来ることから、メインスタンドもゴール裏に呼応して拍手が鳴り響いていた。
人数的には決して多くないはずだが、私は鳥肌が立った。
メインスタンドのサポーターも一緒にスタジアムの雰囲気を作っている。
スタジアムの階段を上り下りするのもきっと大変であろう、ご高齢のサポーターもチャンスとなると夢中で拍手を送っていた。
私はずっとゴール裏が中心となってスタジアムの雰囲気を作っていると思っていた。
でもメインスタンドで観戦して、スタジアムの雰囲気を作っているのは誰でもない。
私たち一人一人だと改めて感じたのだ。
少し前で目を輝かせて手を叩いていた少女も、選手のプレーで笑顔になる私の両親と同じくらいのご婦人も、一緒にアルビレックスという1つのクラブを応援している。
みんながアルビレックスの勝利を願って水戸までわざわざ来ていたのだ。
そのことを改めて知れただけでも手を真っ赤にしてたたき続けた甲斐があった。
強くなろうよ、アルビレックス。
私はこの人たちと一緒に喜びたい。
今日こそ、この4引き分けを生かす時だ。
今日こそ、みんなで一緒に勝利を掴もう。