2019年4月14日の深夜3時。
私は片渕監督解任の知らせを新婚旅行先であるロンドンのホテルのベッドの中で知った。
一瞬夢かと思い飛び起きて、公式サイトも確認したが夢ではなかった。
公式サイトに「監督交代のお知らせ」を掲載しました。#吉永一明 新監督のもと、J1昇格の目標に向け、一丸となって戦ってまいります。引き続き、ご支援とご声援をよろしくお願いいたします。#albirexhttps://t.co/EKoaTByOw6 pic.twitter.com/JMIO5BqTiS
— アルビレックス新潟 (@albirex_pr) April 14, 2019
9試合で3勝3分3敗。
決して良い成績ではない。
上位チームは未だ黒星をつけてないところもある。
上位争いをするためにここから勝利を伸ばしていけるよう頑張ろう。
誰もがそう思っていたはずだ。
しかし、是永社長の決断はずっとずっと早かった。
すぐさまSNSの反応も確認した。
困惑する声が多く聞かれる中で、私自身は比較的早くこの監督交代について受け止めていた。
この3年間の解任劇はタイミングが遅すぎた。
解任の声が上がる中でこのままいくと思っていたところでの解任が続き、残された時間の中で次の監督にできることはかなり限られていたはずだ。
次の監督の戦術を理解してもらう時間は残されていなかったように思う。
その点で言えば、吉永監督にはまだ33試合が残されている。
キャンプなどを行うことはできないが、シーズンはまだまだ残されていると言えよう。
このタイミングで片渕さんを解任するという決断が正解だったのかは今の時点では全く分からない。
シーズンが終わった時に初めて答え合わせができるのだろう。
今は前を向いて目の前の試合を闘うしかない。
この記事は、このタイミングでの監督解任について論議をしたくて書いたのではない。
私は是永さんの会見の様子(是永大輔代表取締役社長より監督交代の趣旨説明)を見て刺さった言葉があった。
さらには一生に一度しか来れないお客さんもいるかも知れない。
選手たちがまぁ次、次と気持ちを切り替えていくのはもちろん大事なことなんですが、一方で次などいつまでもあるわけではない、一度しかない人もたくさんいると言うことをお伝えしたかったと言うことです。
(是永大輔代表取締役社長より監督交代の趣旨説明より引用)」
私はこの日、ロンドンで生まれて初めてプレミアリーグの試合をスタジアムで観戦する予定になっていた。
プレミアリーグを見るならトップレベルのクラブを見てみたいとマンチェスターシティの試合を見ることに決めた。
※なぜマンチェスターシティだったかは改めて別のブログに綴りたいと思う。
この日のために勉強をして観れる試合は夜な夜な2人で起きてDAZNで観戦も重ねた。
この日の試合を一番楽しめるよう、時間をかけて準備して来たのである。
スタジアムに向かう道すがら、マッチデースカーフ(タオルマフラー)も購入した。
その日の対戦カードと日付が入っている限定品である。
非公式のマッチデースカーフは公式のタオルマフラーと金額が変わらないにも関わらず、飛ぶように売れていた。
スタジアムに入場すると、テレビの画面やウェブの写真で見ていた選手が目の前を走り回る様子はウォーミングアップの時点で感動した。
試合にも3-1で勝利してこれ以上ない最高のプレミアリーグ観戦だった。
試合が終わってから、是永社長の言葉が今の私たちとリンクしたのである。
試合後も私たちだけではなく、スタジアムに残って記念撮影をする人がたくさんいた。
プレミアリーグにとってはたった1節のリーグ戦。
でもここにはもう一生プレミアリーグを観戦しない人も、中には一生サッカーを観戦しない人もいるのかもしれない。
目の前の試合が一生に一度の観戦になるかもしれないのだ。
人がさざ波のようにさっといなくなったスタジアムを私はしばらく見つめていた。
もちろんサッカーだから勝つ時もあれば負ける時もある。
その1試合は90分で終わりなのだ。その日のその試合は二度と戻ってこない。
次なんてないんだ。
だからこそ90分を全力で走り抜ける姿はサポーターの心を打つし、今日とは違う1試合をこの目で見るためにスタジアムへ行きたいと思うのだ。
クラブの財政状況を考えれば、昇格を目指せる戦力が来年も確保できるかなんて分からない。
「次などいつまでもあるわけではない、一度しかない人もたくさんいる。」
社長の言葉を聞いた選手たちが同じ想いで闘ってくれると信じている。
私もその想いに応えて最高の雰囲気を作りたいと思う。