マチココロ

サッカー観戦と本業のお掃除、新潟のよいところを綴っています。

アルビレックス新潟

”新潟”が大切な場所になっていた。

2019年6月18日22:22。
新潟と山形で震度6強の地震が発生した。

たまたまテレビを見ていた私は【新潟下越震度6強】というテロップが映った瞬間、ショックで固まってしまった。

2004年からアルビレックスの応援を始めてから、私は新潟と繋がりを持って人生を歩んでいる。
15年。その間に新潟は幾度か大きな災害に見舞われてきた。

新潟に無縁だった私は、災害などが起きても自分の中で漠然と大変なことが起きたと受け止めてきた。
見ているのはニュースで見る景色や写真、知らない人のインタビュー。
正確に言うと、想像することしかできなかった。
それほど、私には繋がりが何もなかった。

2004年に新潟で中越地震が起きた時も、私に出来たのは代替試合となった国立競技場で来れない人の分まで愛を叫ぶことと、中学生の私に持って行ける僅かな募金くらい。
14歳の私に出来ることなんてほとんどなかった。

しかし、今回新潟で大きな地震が起きたと分かった瞬間、私の中にはたくさんの顔が浮かんだ。
15年間で繋がったみんなの顔。

夫の祖父母や叔父、叔母は無事かしら。
あの人は震源地に近いところに住んでいたはず。
あの子は大丈夫だったかな。

そこから数十分、テレビと携帯の画面を交互に見ながらみんなの無事を祈っていた。
いつも見慣れた街並みが地震のニュースと共に映し出される。
やっぱり私に出来ることはほとんどなかった。
それでもざわつきが止まらなくて、自分の心臓がずっとバクバクうるさいくらいに聞こえていた。

アルビレックスを応援したくてたまたま選んだのが新潟という街だったのに。

15年前は独りで応援していて、新潟にも行った事がなかった。

新潟の街も、新潟の景色も、新潟のご飯も。
そして新潟に住むみんなも、新潟に関わるみんなも。

何も知らなかったのに。

私にとってこんなに、こんなに”新潟”が大切な場所になっていた。

知ることは近くに感じること。
深く知ることは愛すること。
愛する気持ちは自分が持っていた出自や縁を越えることができるのだと、アルビレックスが教えてくれた。

新潟だけじゃない。
日本の各地にいる仲間の顔が思い浮かぶ。
アルビレックスのおかげで、ユニフォームの色が異なっていても、サッカーを通して同じ想いを重ねる同志になれる。

縁が繋がる幸せを、
仲間がいる幸せを、
みんなみんな、アルビレックスが教えてくれた。

アルビレックスから生まれた出会いが、私の人生を作ってる。

想う人が増えるのは嬉しいことだけじゃないかも知れない。
いつの日か、別れに涙を流す日が来るかも知れない。
自分の無力さを嘆く日が来るかも知れない。

あとどのくらい、「じゃあ、またスタジアムで」を合言葉にできるか分からない。

いつの間にか中学生だった私も大人になった。
これからの15年もきっと瞬く間に過ぎていくだろう。

永遠ではないからこそ、この大好きな街と大好きな景色をこの目に焼き付けておきたい。
大好きなみんなと大好きなクラブとの、この1試合、1分、1秒を大切にしたい。

いつの日か、「あの時はしんどかったね。」
そう、笑って話しましょう。

いつの日か、「この瞬間を待っていたよ。」
そう泣いて喜べる日が来るように。

二度と訪れないこの瞬間を胸に刻むために、私はスタジアムへ向かう。
左胸の”新潟”のエンブレムと共に。




-アルビレックス新潟

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マチ神奈川県川崎市在住、東京都調布市出身。
新潟に無縁だったアルビレックス新潟サポーター16年目、家事代行会社入社8年目。
サッカー観戦、本職のお掃除、サポーターとして経験したこと、新潟のよいところを書いてます。